以前、サービス改革でぶつかる6つの壁を紹介しました。それは「建前の壁」、「顧客不在の壁」、「闇雲の壁」、「実行の壁」、「継続の壁」、「情熱の壁」です。サービス改革には、これらの壁を乗り越える工夫を組み込む必要があります。CS寺子屋で取り上げてきたサービスの本質論の観点で、これらの壁を乗り越えるためのポイントを紐づけると次のようになります。
ただし、サービス事業をステージアップするには、6つの壁を1度乗り越えるだけでは不十分です。壁を乗り越えながら、取り組みをスパイラルアップしていく必要があるのです。改革の糸口を見出し、変化を確信に変えて、仲間を増やしながら、新たなサービス事業の姿を創り上げていくのです。
しかし、単にスパイラルアップしろと言われてもどうしたら良いか分からないものです。そこで、スパイラルアップの段階を4つに整理しました。これを「4UPステップ」と呼んでいます。つまり、6つの壁を4回乗り越えることで、サービス事業をステージアップするのです。その4UPステップの概要は次の通りです。
WAKE UP
スモールスタートして改革の道筋を立てながらコアメンバーの本気に火を付ける。まずはコアメンバー自身が6つの壁を自分たちで乗り越えるステップ。
TIE UP
コアメンバーが周囲の仲間と一緒にタッグを組んで実践拡大して、仲間と一緒に成果を生む。コアメンバーが仲間と一緒になって6つの壁を乗り越えるステップ。
SCALE UP
前向きなミドルマネジメントの組織の中で徹底的に実践して取り組みを全体に波及させていく。ミドルマネジメントと連携して、組織として6つの壁を乗り越えるステップ。
BUILD UP
誰かの旗振りに頼らなくても事業として当たり前に優れたサービスがつくりとどけられるように、しくみに組み込む。事業のしくみで、6つの壁を乗り越えるステップ。
実際にサービス改革を進める際には、「6つの壁×4UPステップ」のマトリックス表を、改革推進のガイドマップとして活用しています。サービス事業のステージアップを阻む6つの壁の正体を理解し、それを乗り越えるポイントを心得て、4UPステップを踏むことが、着実にサービス改革を前進させる道しるべになれたら幸いです。
加えて、直近のコラムで取り上げた「見つける力」「築き上げる力」「確信に変える力」「壁に立ち向かう力」は、この4UPステップを駆け上がるための力として紐づけることで、取り組みの加速や拡大にお役に立つのではと思います。
「継続は力なり」という言葉がありますが、サービスにおいては、ただ単に取り組みを継続するだけでは、事業としての力が高まっていないことが少なくありません。継続を力に変えるサービス改革のために、 「6つの壁×4UPステップ」 を参考にしてみてください。