「若手向けでしょ?」サービスの人材育成は、“若手向け”というレッテルが貼られています。ベテランやマネジメント層がサービスの本質を理解する機会がないまま、自己流でサービス事業を推進していることが少なくありません。
サービス競争が激化する中で、本質を捉えてサービスをマネジメントできるかどうかが、事業の成長を左右します。サービス経営人材の育成を加速するために、ベテランやマネジメントこそ、サービスの本質を学び直し、事業推進力を強化すべきなのです。
■変化の時代にサービスマネジメントも悩んでいる
サービス事業の推進者も悩んでいます。
など。
サービス事業の問題は実に複雑に絡み合っています。その中で、何から手を付けたら良いか分からなくて闇雲に取り組んでしまったり、直観や経験則だけに頼って事業をマネジメントしてしまいます。あるいは、本質的な取り組みであるにもかかわらず、本当の成果が出るまで待ちきれずに途中で挫折してしまう、もったいないケースもあります。
これからは先が読めない変化が起こる時代だと言われています。時代とともに“顧客”も変化します。この変化の時代を乗り切るためには、管理としてのサービスマネジメントでは力不足です。時代や顧客の変化に合わせて、(あるいは変化をけん引するために、)サービスを自己革新する力が求められているのです。時代の変化を成長のチャンスにできるのか、危機に陥ってしまうのか、いままさに分岐点を迎えつつあります。
■“壁”でパワーアップするサービス経営人材の育成
サービスの自己革新を、現場任せにしていたり、経営者の掛け声に頼っていては、サービス事業に変化を生むことはできません。経営から現場までが一体となった組織的なサービス改革の推進者として、サービス経営人材のパワーアップが欠かせないのです。
サービス事業を改革するには、6つの壁(建前の壁、情熱の壁、顧客不在の壁、闇雲の壁、実行の壁、継続の壁)を乗り越える力が必要です。これらの壁を乗り越える力を養うことは、事業の成長力や競争力そのものを高めます。
そのためにまずは、目に見えない“サービス”の本質を理解する必要があります。これまでたびたび触れてきたように、
など、サービスの考え方を体系的に理解し直すことは、サービス事業の推進に欠かせません。
加えて、
これらを通して、取り組みを時間とともにスパイラルアップさせていくのです。
いま、産、学、官の様々な領域で連携して、サービス経営人材育成の熱心な取り組みが始まっています。頭でっかちな人材育成ではなく、サービスビジネスの現場で力が発揮でき、サービス事業の構成要素である「顧客」、「従業員」、「事業」のどれも犠牲にしない事業成長を推進することができるかどうかが、サービス経営人材の腕の見せ所となりそうです。