サービス改革担当者・CS推進担当者の学びの場

お客さまの身内になる!問題探索型ビジネス3つのポイント

前回「受身型も提案型ももう古い!問題探索型ビジネスへの転換」では、お客さまのニーズの変化に合わせてビジネススタイルを変化させなければ、今は受け身型も提案型も苦戦する時代になっていることについて触れてきました。そこで今回は、これから重要になるビジネススタイルである「問題探索型」を実現するためのポイントを見てみたいと思います。

■ポイント1:お客さまの身内になる

問題探索型ビジネススタイルを実現するためには、どんなポイントがあるのでしょうか。

はじめの一歩として最も重要なのが「お客さまの身内になる」ことです。お客さまと問題を一緒に探すためには、お客さまに問題点や弱点を見せていただかなければなりません。しかしお客さまにしてみれば、身内でもない人に問題点は見せたくないものです。問題探索型のビジネススタイルを実現するためには、いかにお客さまの「身内」になれるかが、極めて重要なのです。

ただし、お客さまの身内になるといっても簡単なことではありません。

そこで、熱心な企業では例えばこんな工夫をしています。初めてお会いするお客さまに対してこれまでは、「いかに商品やサービスを買っていただくか」という観点で提案やキャンペーンに力を入れてきましたが、うまくいかない。そこで、提案する前のプロセスを磨き上げて、お客さまとの関係を築き、お客さまの問題や期待を一緒に明らかにするところからしっかりとご一緒することで、ビジネスを拡大しています。

また、既存のお客さまと身内になれるチャンスは、実は営業以上にサービス部隊にあります。例えばアフターサービスであれば、定期的にお客さまとの接点を持ってるので、既に身内扱いされていて、お客さまの悩みや期待を掴んでいることが多いものです。

これに気付いた企業では、これまであまり重きを置いてこなかった「サービス」を中心に据えてビジネスをドライブしています。「営業や商品開発の上流工程はサービスである」「サービスは最前線の営業部隊である」「我々はサービス業である」など、サービスを強化することで、お客さまに選ばれ続けるための変革に熱心な企業が増えています。

■ポイント2:問題の全体像を明らかにする

お客さまの身内になれたら、次に「問題を探し出すスキル」が必要になります。目に見えないサービスにおいては、この「問題」を掴むことが極めて重要です。問題解決は、問題を正しく定義できたら7割成功だとも言われています。それくらい重要であり、難しいことなのです。

例えば法人のお客さまの場合、そのお客さまの問題は、様々な組織の問題が複雑に絡み合っていることが多く、問題の原因を「なぜ?」を繰り返すことで深堀りするだけでは、本当の問題を明らかにできないケースが多いようです。そこで効果的なのが、「問題の全体像」を明らかにすることです。

問題の全体像を明らかにせずに、目の前の重要そうな問題の原因に対策をしようとしても、納得感に欠けたり、別の問題が発生したりと、うまく問題解決が進められません。問題の全体像が明らかになれば、その全体像を見ながら、どの問題からどういう順番に解決することが効果的かを、納得感を持って決めることができます。これから必要になる「問題を探し出すスキル」とは、問題の全体像を明らかにするためのスキルと言えます。

*問題の全体像を明らかにするための具体的な方法については、別の機会にご紹介したいと思います。

■ポイント3:組織全体で「サービスのプロ」になる

問題探索型ビジネススタイルを実現するために3つ目に必要なのが、お客さまの問題を探し出してそれを解決したり、お客さまの期待に応えるために、「サービスのプロ」になることです。

最近では、全ての産業でサービス化が進んでいて、サービスが競争優位そのものになっています。そこでサービスサイエンスでは、全ての産業はサービス業であると定義しています。「すべての産業はサービス業」だと理解すると、その中に2つの視点が見えてきます。

1つは、自社のビジネスをサービス業として捉えてサービスを磨き、お客さまにサービスで喜んでいただかなければならないということです。最近注目される企業改革の中で、「わが社はサービス業である」と意識改革から熱心に取り組んでいるものが増えています。根っからのサービス業でも、製造業でも同じです。サービスで競争優位を築き、サービスで差別化するためには、組織全体でサービスを磨き上げ、お客さまにサービスで価値を感じて頂かなければならないのです。

2つ目は、お客さまが法人の場合、お客さまのビジネスもサービス業だという意識で、お客さまの問題やビジョンを理解しなければ、正しくお客さまを理解することができないかもしれません。お客さまと一緒になって問題を探し出すためにも、我々はサービスのプロになるべきなのです。

会社や組織として「サービスのプロになる」のは難しいものです。サービスは目に見えなくて雲を掴むようで、いったいどうしたら良いか分からない。ついつい精神論やテクニック論で考えてしまう。組織的に取り組もうとしても経験や勘に頼ってしまい、現場任せ・個人任せの活動しかできていないなど。

組織的にサービスのレベルアップをしようとしたときにぶつかるこれらの壁を越えるために、サービスやCS向上の本質を少しロジカルにひも解いた当CS寺子屋が少しでもお役に立てれば幸いです。

SNSでフォローする