サービス改革担当者・CS推進担当者の学びの場

真の顧客満足に必要な5つの取り組み(3)~継続するほどに成果が積み上がるCS向上とは~

真の顧客満足に必要な5つの取り組みの今回は5つ目をご紹介します。最近では、建前のCS(お客さま満足)から脱却し、経営に貢献する成果に強力に繋がる真のCS向上を目指して、組織一丸となって取り組くもうとしている企業が増えています。

しかしそこには意外にも大きな壁が立ちはだかっています。その壁を乗り越えるために、前回までに、顧客満足に本気になるための取り組みや、サービスの設計や人材育成を組織的に進める取り組みについてご紹介しました。

ここまできても、CS向上と聞くと、「どうせ今回もうまくいかないでしょ」という思いを抱く方が多いものです。

CS向上に取り組む企業は、同じような悩みを抱えています。活動が立ち上がった当初はとても盛り上がるものの、しばらくすると活動のモチベーションが低下してしまい、活動が続けられなくなってしまう。これが過去から繰り返され、何度もCS向上活動が立ち上がっては消えている。だから今回もどうせ成果が出ないのでは、長続きしないのでは、という思いが湧いてしまうのです。

この「継続の壁」を乗り越えなければなりません。そこで極めて重要なのが、5つ目のポイントである「サービスの評価とフィードバック」です。

(5)活動成果を評価してフィードバックする

実はこれがうまくできないことが多いのが実態です。お客さま満足は目に見えないので、CS向上の取り組みが具体的にどんな成果に繋がったのかが分かりにくかったり、実感しにくいという難点があります。成果が実感できなければ、誰でも取り組みのモチベーションが下がってしまうのは当然といえます。

裏を返せば、メンバーが納得して始めた活動が少しでも成果に繋がったと分かると、一気に取り組みの歯車が高速回転を始めて、活動が前進し始めます。そんな場面を何度も経験しました。活動を通して得られた成果は、積極的に評価して社内にどんどんフィードバックしていくことが極めて重要なのです。

しかし多くの場合、CS向上活動が目的とする成果が得られるまでには時間がかかってしまいます。顧客満足度の向上や受注・リピートオーダーの増加、客数アップや顧客紹介の増加など、経営に貢献するような成果は、すぐに得られるとは限りません。

だからといって、こういった成果が出るのを待っていたら、その前に活動のモチベーションが下がって終息してしまいます。そこで、ひと工夫が必要です。

CS向上の成果はすぐに出にくいからこそ、ひと工夫が肝心

CS向上活動では、目的とする成果が出る手前で、必ず先行指標となる小さな成果がたくさん出ています。これを「スモールサクセス」と呼びます。スモールサクセスには例えば、相談件数や離脱率といった定量的に評価できるものもあれば、お客さまからの感謝の言葉や活動メンバーの感想のような定性的なものもあります。

目的とする成果の先行指標となるスモールサクセスは何なのかを特定し、それを積極的に評価することで、比較的短期間で成果を評価・フィードバックすることが可能になります。

他にも、すぐに成果に繋がりやすいテーマや施策に特化して取り組むことも効果的です。これを「クイックヒット」と呼びます。クイックヒットとして何に取り組むかは、活動の容易度と期待できる成果の大きさで検討します。短期間のうちに分かりやすい成果を生み出すことで、社内のやる気に火をつけることができます。

いずれにしても、成果実感を得ながら取り組みを進めなければ、CS活動は終息してしまいます。スモールサクセスを含めた活動成果を短期間のうちに生み出し、積極的に評価・フィードバックをすることで、時間を味方につけて、活動が時間と共に活発になり、継続するほどに成果が積みあがる。そんな取り組みに仕立てられればと思います。

■そして、5つの取り組みをつなぐ

今回は、真の顧客満足に必要な5つの取り組みをご紹介しました。CS活動の目標地点と経営貢献シナリオを描くことで、忙しさに負けずにCSに本気になる。そして、サービス設計や人材育成を現場任せにせずに組織的に取り組む。さらには、CS向上活動の成果をスモールサクセスも含めて積極的に評価・フィードバックすることで、時間と共に取り組みを活性化させていく。

これに加えて最後にもうひとつ大切なことがあります。それは、CS向上に取り組んだからこそ得られた気付き(価値ある経験知)をもって、これまでに触れた5つの取り組み自体をブラッシュアップしていくことです。

こうすることで、時間と共にサービス事業そのものが進化していきます。時間と共に、成果が積み上がり、お客さまが我々を選んでくださり、競合との差が開いていく。今回ご紹介した真の顧客満足に必要な5つの取り組みは、サービス事業の成長に欠かせない取り組みそのものでもあるのです。

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