谷口さん、こんにちは。今日は、なんだかうれしそうですね。
あ、松井さん。こんにちは。
今日はランチのお店が大正解だったんですよ~。
ははは。谷口さんにとってランチは最重要事項ですね。
ランチの充実度で、午後の生産性が変わるんですよ!大事じゃないですか。
はいはい。それで、今日は何が良かったんですか?
カレー食べ放題のお店なんですけど、ビュッフェ形式でいろんなカレーがちょっとずつ自分で選べるんです。しかも、付け合わせやデザートも選び放題。大満足です!
なるほど。今日のランチは谷口さんの事前期待を上回った実績評価、というわけですね。
そうそう!って、「事前期待と実績評価」って、どういうお話でしたっけ。
おやおや。では、改めてお話しますね。
前回のサービスと同じく、顧客満足も定義の理解があいまいなまま闇雲に取り組まれていることが多いものです。やってはいるけど成果が出ていない。そんなお悩み相談を多くいただきます。
顧客満足は、お客様がサービスを受ける前に抱いている事前期待を、サービスを受けた後の実績評価が上回ったときに得られる。
顧客満足をこのように定義します。
逆に、事前期待よりも実績評価の方が小さいと、ガッカリされてお客様を失ってしまいます。
また、事前期待と実績評価がほぼイコールだと、印象が薄いので競合他社にお客様を奪われてしまう可能性があります。可もなく不可もないサービスでは、お客様にしてみれば「特にここのサービスじゃなくても良い」と思われてしまうので、他社がちょっとしたキャンペーンをすると、あっという間にお客様を奪われてしまう恐れがあります。
この定義は、言われてみれば当たり前の内容でイメージ通りという印象を持った方も多いのではないでしょうか。しかし実はこの定義から顧客満足の本質を理解すると、我々のこれまでの活動の進め方が少し筋違いだったかもしれないことに気づきます。
顧客満足の定義のポイントは、「顧客満足は絶対値ではない」ということです。つまり、事前期待と実績評価の「相対値」で顧客満足は決まります。
このポイントを踏まえて、我々が今までCS向上のために「いかにお客様に喜んで頂くか」というテーマで議論してきたことを思い返してみてみましょう。
すると、少し筋違いだったかもしれない点に気づきます。それは、議論の内容のほとんどが、「お客様からの実績評価をいかに大きくするか」にしかフォーカスできていないことです。
先ほどの顧客満足の定義によれば、「顧客満足は事前期待と実績評価の相対値」なので、「実績評価」の方だけに着目してCS向上に取り組むのは筋違いだと言えます。
つまり顧客満足を向上しようと思ったら、お客様の「事前期待」を掴まなければ、意味がないということです。「CS向上のために、我々が満たすべき事前期待は何か?」を徹底的に議論して、CS向上活動の目標値として据えることが大切です。
どうしてもCS向上やサービス向上の活動は、目標値を据えずに、闇雲に努力していることが多いのが実態です。これではやはり、うまくいきません。目標を定め、そこに向かってベクトルを揃えて、組織一丸となって取り組む必要があるのです。
ありがとうございました。
そうそう、顧客満足は「事前期待<実績評価」で得られる、だから両方を考え抜けということですよね。
もちろん肝に銘じています!
ははは。なんだか調子いいなあ。満足度の高いランチの威力はすごいですね。
今回のポイント
顧客満足は事前期待と実績評価の「相対値」で決まる